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日英豪仏、トランプのホルムズ護衛艦要請を事実上拒否4カ国がいずれも即時派遣を否定――米国自身も未だ護衛能力なし。「同盟の亀裂」か「賢明な自制」か

神田隼大研究機構(KHF)  米大統領ドナルド・トランプは3月15日(現地時間)のTruth Socialへの投稿と、エアフォースワン機内での記者団への発言で、ホルムズ海峡を通過するタンカーを護衛するための多国間海軍連合を形成するよう同盟国に要求した。中国・フランス・日本・韓国・英国などを名指しした要請に対し、日本・英国・オーストラリアは16日(月)中にいずれも即時派遣を否定。フランスも「戦闘フェーズ終結後」の護衛任務を検討するとしながら、現時点での派遣を否定した。さらに皮肉なことに、米海軍自身も現時点では護衛の準備が整っていないと認めている。 ■ 各国の対応:一覧 ▼ 各国のトランプ要請への対応(令和8年3月16日時点) 国・主体 回答 発言・方針の内容 日本 否定 高市首相「護衛艦派遣については何ら決定していない。日本独自に何ができるか、法的枠組みの中で何ができるか検討を続ける」と国会答弁。憲法上の制約を理由に挙げる。外務省はNHKに「日本は独自に判断する。独自の判断が基本」と表明。 英国 否定(検討中) スターマー首相はトランプ・カナダ首相と海峡再開の必要性を協議と発表のみ。エネルギー相ミリバンドは「盟国とともに何ができるか集中的に検討している」と述べるにとどまり、即時派遣には言及せず。ビジネス・スタンダード紙は「緊張激化のリスクを理由に拒否」と報道。 オーストラリア 否定 内閣府のキャサリン・キング閣僚「要請を受けておらず、派遣もしない。海峡の重要性は認識しているが、それは我々が貢献する形ではない」とABCインタビューで明言。 フランス 条件付き否定 国防相ヴォトラン「現時点でホルムズには艦船を派遣しない」と先週表明。一方でマクロン大統領は3/9のキプロス会見で「最も激しい戦闘フェーズ終結後」の純粋護衛任務を欧州・非欧州各国と準備中と発言。EU NAVFOR「アスピデス」作戦に2隻のフリゲートを投入予定。 ドイツ 否定 外相ヴァデフル「欧州は海上ルート確保で常に建設的な支援を行うが、ホルムズへのドイツ参加は即時の必要性もなく、参加もないと明確だ」とARDテレビで発言。 韓国 慎重検討 「要請を慎重に検討する」と表明。即時派遣は明言せず。 中国 回避 外務省「即時停戦を求め、全当事者がエネルギー安定供給を確保する責任がある」との原則論にとどまる。米大使館は「

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ベトナム、原油確保で日本・韓国に協力要請備蓄わずか15日分、ガソリン4割高騰 グエン副大臣が東京サミットの合間に松尾経産審議官・韓国産業相と個別会談 LNG・原子力投資拡大も要請

田隼大研究機構(KHF)経済学部 令和8年3月16日 記  ベトナム政府は令和8年3月16日、ホルムズ海峡封鎖による世界的な石油供給混乱を受け、原油調達先の確保と拡大に向けて日本と韓国に協力を求めたと商工省が公式に明らかにした。グエン・ホアン・ロン商工副大臣が週末に東京で開催されたエネルギー安全保障サミットの合間に、日本の松尾剛彦・経済産業審議官および韓国の金正官・産業通商資源相と個別に会談し、それぞれ支援を要請した。国内備蓄が15日分にとどまるベトナムにとって、4月以降の調達を確保するための外交的布石となる。 ■ 要請の内容:備蓄活用の支援とLNG・原子力投資の拡大  ロン副大臣は松尾審議官との会談で、「日本は重要な役割を持ち、大量の原油備蓄を有している」と述べ、ベトナムが国内需要を満たすための原油供給源の探索と確保を支援するよう求めた。加えて、ベトナムでの液化天然ガス(LNG)および原子力発電分野への日本企業の投資拡大についても協議した。  韓国の金産業相との会談でも、原油供給源へのアクセス確保に向けた支援要請が行われた。韓国はアジア有数の精製能力を持ち、ベトナムはこれまで韓国からの精製済み石油製品調達に大きく依存している。要請には、既存の調達ルート維持に加え、代替供給源の紹介や融通の可能性が含まれていたとみられる。 ▼ アジア主要国の石油備蓄量と中東依存度(令和8年3月時点) 国 備蓄日数 中東依存度 状況・備考 日本 254日分 約93〜94% 今回、国家+民間合計45日分を放出決定。アジア最大の備蓄国 韓国 208日分 約80%台 精製能力が高くベトナム等へ石油製品を輸出。今回の要請の主要な相手国 中国 約200日分 約75% 独自ルートでロシア産・中東産を調達。IEA非加盟 インド 74日分 約60% ロシア産原油の調達拡大で一部カバー。不可抗力宣言の動きあり タイ 61日分 約70% 西アフリカ・米国産への調達分散計画を発表。給油制限措置も一時実施 フィリピン 60日分 約70% エネルギー節約のため勤務週4日制を一部導入 インドネシア 約20日分 約60% 石化最大手チャンドラ・アスリが不可抗力宣言、工場稼働率低下 ベトナム 15日分 LPG輸入の約70% 今回の要請国。国内2製油所が需要の70%を担うが、原料は中東依存。備蓄は東南アジア最低水準

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金融庁、暗号資産の無登録販売を大幅厳罰化へ。資金決済法から金融商品取引法へ移行 拘禁刑3年→10年以下、罰金300万→1,000万円以下に 2026年通常国会に改正案提出へ

神田隼大研究機構(KHF)経済学部、法学部  金融庁は2025年12月に公表した金融審議会ワーキング・グループ(WG)報告書に基づき、2026年通常国会に金融商品取引法(金商法)改正案を提出する方針を固めた。改正の最大の眼目は、現行の資金決済法が定める「暗号資産(仮想通貨)の無登録販売」への罰則を、拘禁刑3年以下・罰金300万円以下から、金商法水準の拘禁刑10年以下・罰金1,000万円以下へと大幅に引き上げることにある。SNSやオンラインサロン経由の詐欺的勧誘が急増する中、刑事罰を株式並みの水準へ強化し、無登録業者への抑止力を高める狙いだ。 ■ なぜ今、金商法移行なのか:「決済手段」から「投資商品」へ  現行法では、ビットコインなどの暗号資産は「決済手段」として資金決済法の規制下に置かれている。しかし2024年には暗号資産保有者の口座開設数が延べ1,300万口座を突破、利用者預託金残高も5兆円超に達するなど、実態は「投資商品」として定着している。こうした現実と規制の乖離を埋めるため、金融庁は2025年6月に金融審議会に諮問し、同年12月10日にWG報告書を公表した。  報告書の核心は「暗号資産を資金決済法から金商法へ一本化する」ことだ。株式や債券と同等の横断的投資家保護法制に組み込むことで、情報開示義務・インサイダー取引規制・証券取引等監視委員会による犯則調査権限・課徴金制度など、株式市場と同水準の規制を暗号資産市場に適用する。施行は法改正から約1年の準備期間を経た2027年を見込む。 ▼ 無登録販売の罰則比較:改正前後 項目 現行(資金決済法) 改正後(金商法移行) 根拠法 資金決済法第107条第12号 金融商品取引法(改正後) 拘禁刑(最高) 3年以下 10年以下(3.3倍強化) 罰金(最高) 300万円以下 1,000万円以下(3.3倍強化) 表示・勧誘のみの場合 規定なし(実質無罰) 1年以下の拘禁刑等(新設) 課徴金制度 なし 導入(証券監視委による調査・勧告) 緊急差止命令 なし 裁判所による申立て可能(新設) (出所:金融庁WG報告書・資金決済法・金商法条文をもとにKHF編集) ■ 厳罰化の背景:月300件超の詐欺相談、SNS型勧誘の急増  金融庁の「金融サービス利用者相談室」には暗号資産関連の相談が月平均300件以上寄せられており、その大半が詐欺的

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官報告示:民間石油備蓄の義務日数を70日→55日に引き下げ。適用は本日16日より1カ月間。国家備蓄放出と並行、過去最大規模の45日分を市場へ供給へ

神田隼大研究機構経済学部  経済産業省は16日付の官報に告示を掲載し、石油精製業者・特定石油販売業者など石油備蓄法に基づく民間事業者に課している備蓄義務日数を、従来の70日分から55日分へ15日分(約1カ月相当)引き下げた。期間は本日16日から1カ月間。国家備蓄1カ月分の市場放出と同時に発動する今回の措置は、民間・国家を合わせた合計放出量が約8,000万バレル(約45日分)と過去最多となり、日本単独での国家備蓄放出としては制度発足以来初めての事例となる。 ■ 官報告示の概要:石油備蓄法第7条に基づく緊急措置  今回の告示は石油備蓄法第7条第3項に根拠を持つ。同条項は「我が国への石油の供給が不足する事態が生じ、又は生ずるおそれがある場合」に、経済産業大臣が期間を定めて石油基準備蓄量を減少できると定めている。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、政府は「供給不足が生ずるおそれがある」と判断し、通常の入札手続きを簡略化した随意契約方式を採用。3月下旬からの流通開始を目指す。  民間備蓄の義務日数は、石油危機後の1974年に90日分でスタートし、国家備蓄の整備にあわせて1993年度以降に段階的に70日分へ軽減された経緯がある。さらに2017年12月には施行規則改正で40日台まで引き下げが認められた実績もある。今回の55日への引き下げは既存制度の枠内であり、緊急措置として迅速に執行できる性格のものだ。 ▼ 日本の石油備蓄の構造(2025年末時点)と今回の措置 備蓄種別 通常義務量 今回放出 備考 民間備蓄 70日分(101日分保有) 15日分(義務引下げ) 本日官報告示。70日→55日に改正、1カ月間 国家備蓄 146日分保有 30日分放出 3月下旬より段階放出。制度開始以来の単独放出 合計放出(今回) — 約45日分 約8,000万バレル。過去最多(2022年は約2,250万バレル) (出所:経済産業省発表、各種報道をもとにKHF編集) ■ 背景:ホルムズ封鎖と「先手」の政治判断  政府がIEAの正式合意を待たず日本単独での備蓄放出に踏み切った背景には、国内産業界からの強い要請があった。石油元売り会社はホルムズ海峡の事実上の封鎖(2月末〜)を受け、3月5日頃から政府に対して国家備蓄の早期放出を要請していた。加えて、ガソリンスタンドでの価格引き上げや消費者の「買い急ぎ」など、

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米・イスラエル合同対イラン軍事作戦(2026年)の戦略的評価

――「壮絶な怒り作戦」における統合作戦論と中東安全保障秩序の転換―― 保安総局情報部・神田隼大研究機構(KHF)理学部 抄録 2026年2月28日、米国およびイスラエルは「エピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)」「獅子の雄たけび作戦」「ユダの盾作戦」の三作戦コードを冠した統合軍事作戦を発動し、イラン・イスラム共和国に対する大規模打撃を実施した。この軍事行動は、2025年6月の「真夜中の鉄槌作戦(Operation Midnight Hammer)」に続く第二段階の作戦であり、前回が核施設の無力化を目的とした限定的な強制措置であったのに対し、今回はイラン体制の中枢指導部――最高指導者アリー・ハーメネイーの物理的排除――を戦略目標とする点で本質的な質的飛躍を遂げている。本稿は、今次作戦の軍事技術的特性、統合作戦ドクトリン上の意義、イランによる非対称報復戦の構造、および中東安全保障秩序の再編可能性について、戦略的・作戦術的観点から分析する。 序論:戦略環境の構造変化 戦略とは本質的に、政治目的と軍事手段の整合的接続である。クラウゼヴィッツが『戦争論』において示した命題、すなわち「戦争は他の手段をもってする政治の継続である」という原則に照らすとき、今次の対イラン作戦は単なる戦術的奇襲にとどまらず、イラン体制そのものの変化を視野に入れた戦略的行動として位置づけられる。 2026年2月28日、米国とイスラエルはイランに対する大規模軍事攻撃を開始し、その過程でハメネイ最高指導者が暗殺された。これに対しイランは直ちに報復に踏み切り、湾岸諸国の米軍基地のみならず、石油施設や民間インフラも攻撃対象とした。また、日本の石油輸入の生命線であるホルムズ海峡も事実上封鎖される事態となり、中東情勢は急速に全面軍事衝突の段階へと移行した。 この事態への到達を理解するためには、2025年から続く複合的戦略圧力の蓄積を把握する必要がある。 作戦の戦略的背景:三つの構造的誘因 核開発問題の臨界点 攻撃直前、米国とイランはジュネーブで核協議を行ったが、交渉は決裂し外交的解決の可能性は著しく低下していた。特に2025年、イランが国際原子力機関(IAEA)の査察制限を国内法として制度化したことにより、核開発の透明性は大きく低下した。これに対し米国は、ウラン濃縮の永久停止、弾道ミサ

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WTI原油が再び100ドル突破― ホルムズ封鎖4週目突入、FOMC・日銀決定会合を週内に控え市場は神経質

神田隼大研究機構(KHF)経済学部・神田會證券部  米国・イスラエルとイランの軍事衝突が3週目に入った16日(月)、ニューヨーク原油先物(WTI)は日本時間早朝の取引で一時1バレル102ドル台に達し、2022年以来の最高水準を更新した。ホルムズ海峡の事実上の封鎖は続いており、世界の石油供給の約20%が今なお途絶したままだ。日本株市場では地政学リスクとエネルギー高騰への警戒感が重なり、日経平均株価が前週末比633円安の53,819円で取引を終えた。今週は17〜18日のFOMC、18日の日銀金融政策決定会合という二大イベントを控え、市場は一層神経質な展開となっている。 ■ 中東情勢:攻撃拡大でも外交の糸は細く残る  週末にかけて米国はイランの油田輸出インフラに対する大規模攻撃を実施、イスラエル軍も「数千の標的が残る」として作戦継続を表明した。ホルムズ海峡周辺では英UKMTO(英国海上業務部)が過去24時間に商船3隻への攻撃を確認しており、商業海上交通は事実上停止している。  一方で外交ルートは完全に閉ざされてはいない。インドのジャイシャンカル外相は16日、「対イラン協議でいくつかの成果」と述べ、ホルムズ海峡の外交的解決の可能性を示唆した。また米政府は週内にも船舶護衛に関する多国間合意の発表を検討しているとの報道もあり、市場は一時買い戻しが入る場面もあった。ただイランのアラグチ外相は米CBSのインタビューで米国との交渉に否定的な姿勢を示しており、情勢の見通しは依然として不透明だ。 ■ 原油市場:102ドル台、2022年以来の高値 過去最悪シナリオには至らず  WTI原油は16日早朝に102ドル台まで上昇。攻撃開始前の2月末(約67ドル)から3週間余りで1.5倍超となった。もっとも、先週9日につけた高値(119.48ドル)からは依然14%安の水準にとどまっており、過去の危機時(2022年3月130ドル、2008年7月147ドル)と比べると急騰が加速しているとまでは言えない。  価格急騰を一定程度抑制しているのは各国の政策対応だ。国際エネルギー機関(IEA)は11日に加盟32カ国によるホルムズ通過量の約20日分に相当する4億バレルの石油備蓄放出で合意したと発表。米財務省も12日、海上輸送中のロシア産原油について4月11日まで購入を認める制裁緩和を打ち出した。投機的買い越しポ

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暴走する平壌の野心――中東の火種を「核の盾」で煽る北朝鮮の罪科

金正恩は静かには座っていない。 2026年に入ってから、北朝鮮はすでに三度にわたって弾道ミサイルを発射し Nikkei、朝鮮半島の緊張は新たな局面に突入している。しかし、より深刻な問題は、発射回数でも射程距離でもない。平壌が「核の盾」を手に、中東の炎をひそかに焚きつけているという、国際社会が目を背けてきた不都合な真実である。 「悪の枢軸」から「核拡散の元凶」へ 北朝鮮とイランの軍事的結託の歴史は深い。1979年のイラン革命による国交樹立以来、北朝鮮はイランへの武器売却を通じて軍事協力を積み重ねてきた。イランの中距離弾道ミサイル「シャハブ3」は、北朝鮮製の「ノドン」をもとに開発されたとされている。 Wikipedia これは過去の話ではない。米欧の情報機関は、イランが北朝鮮に多額の資金を提供し、同国の弾道ミサイルや核兵器の技術を得ているとの見方を強めており、西側外交筋はその連携を「疑いがない事実」とみなしている。 Nikkeiさらに2006年の核実験実施以降、北朝鮮は実験データ等をイランに提供した疑惑があり、近年はミサイル本体の輸出から技術移転や共同開発へと協力の重点がシフトしていると見られる。 Cistec 中東の火薬庫に流し込まれる平壌の技術 米国主導によるイラン核施設攻撃(2025年6月)が世界を揺るがした後も、イランが核開発を諦めない可能性は高く、自国の安全保障の観点から北朝鮮との関係を深めていく可能性がある。北朝鮮はイランの核開発に協力しているとの見方もある。 DLRI 北朝鮮の側にも確固たる動機がある。国連や米国の経済制裁にさらされる北朝鮮にとっては、資源輸出を拡大するイランから核・ミサイル開発に必要な資金を獲得できる利点があり、イランが持つウラン濃縮技術や欧米の研究機関の技術情報へのアクセスも魅力だ。 Nikkei さらに懸念を深めるのが、紛争が長期化した場合の「兵器補給ルート」の問題だ。中距離ミサイルを保有するイランの友好国はロシアや中国などに限られているが、両国はイスラエルとの外交関係もあることからイランに肩入れする可能性は低い。となると、イランにミサイルを供給できる国は世界で事実上、北朝鮮しかいないという見方もある。 Yahoo!ニュース 「国防5か年計画」の完遂と核軍拡の加速 平壌の野心はイランへの協力だけにとどまらない。2025年は北朝鮮の「

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原油高と中東情勢が重荷 日経平均は続落

53,819円で取引終了、市場の9割が下落 神田隼大研究機構経済学部・神田會證券部 本日の日本株市場は地政学リスクと原油高を背景に売りが優勢となり、主要指数は続落した。 日経平均株価は前日終値54,452円から633円安の53,819円(▼1.16%)で取引を終えた。市場全体ではリスク回避姿勢が強まり、東証プライムでは値下がり銘柄が1,496銘柄と全体の9割超に達し、値上がり銘柄はわずか76銘柄にとどまった。 原油94ドル台が重荷 中東情勢への警戒強まる 今回の下落の最大要因は原油価格の急騰である。 WTI原油先物は一時1バレル94ドル台まで上昇。中東紛争の長期化懸念が強まり、株式市場ではインフレ再燃と世界経済への悪影響を警戒する売りが広がった。 国際エネルギー機関(IEA)は過去最大規模の石油備蓄放出を決定したものの、市場の不安心理を払拭するには至らず、投資家のリスク回避姿勢は終日続いた。 31業種が下落 金融・不動産に売り集中 業種別では33業種中31業種が下落する全面安の展開となった。 特に下落率が大きかったのは次の分野である。 ・不動産・証券・銀行・その他金融 米金利上昇の影響で不動産株が売られ、三菱地所など主要銘柄が軟調に推移した。金融株も金利動向への不透明感から売りが優勢となった。 また半導体関連では、アドバンテストや東京エレクトロンなどのハイテク株が利益確定売りに押された。輸出主力株であるトヨタや村田製作所も円安にもかかわらず軟調な動きとなり、市場の弱さを象徴する展開となった。 防衛・ゲーム株は逆行高 市場全体が弱い中で、いくつかのテーマ株は強さを見せた。 防衛関連川崎重工業日本製鋼所 中東情勢の緊張を背景に、防衛需要拡大への思惑から買いが入った。 ゲーム関連任天堂コナミ 個人投資家の資金流入が続き、逆行高となった。 また、業績上方修正を発表した京都フィナンシャルグループが大幅高となり、証券会社による投資判断引き上げ観測があった安川電機にも買いが入った。安川電機は「フィジカルAI関連銘柄」として市場の関心を集めている。 造船株の異常な上昇 環境船テーマに資金集中 足元の市場で特に注目されているのが造船株への資金流入である。 環境対応型船舶を手掛ける関連銘柄は、過去3年間で株価が約30倍という急騰を記録しており、その上昇率はAI半導体企業の代表格である

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クマノミはなぜイソギンチャクに刺されないのか──共生の仕組みと性転換の生態──

1. はじめに 神田隼大研究機構 宣傳學部藤田研究室の藤田でございます。 オレンジと白のしま模様が特徴的なクマノミ。映画『ファインディング・ニモ』でおなじみになったこの魚はイソギンチャクとの共生関係で広く知られています。特にイソギンチャクの毒針に刺されずに共生している事実は、多くの人々にとって疑問を呼ぶ現象です。また、クマノミは性転換をするという珍しい性質も持っています。 この記事では、クマノミの共生の仕組みと、知られざる生態に迫ります。 2. クマノミがイソギンチャクに刺されない理由 イソギンチャクは、身を守ったりエサを捕まえたりするために「刺胞(しほう)」という毒針を触手に備えています。通常、魚などが触れると、物理的または化学的な刺激によってこの毒針が発射され、相手に毒を注入します。しかし、クマノミはこのような毒針の攻撃を受けず、イソギンチャクの触手内で安全に生活しています。 この共生関係を成立させている大きな要因の一つが、シアル酸という成分です。多くの魚の皮膚にはこのシアル酸が含まれており、これが刺激となって毒針が発射されるのです。 しかし、クマノミの体表にはこのシアル酸がほとんど存在しないため、イソギンチャクから「敵」とみなされにくく、刺胞が発射されないと考えられています。また、最新の研究によってクマノミの幼魚は他の魚と同じ量のシアル酸を有しているが、成長に伴ってシアル酸の量が減少することがわかりました。 3. クマノミにおける性転換の仕組み クマノミのもう一つの特徴は、「性転換」を行う魚であるという点です。彼らは複数の個体で群れをつくり、一定の社会的順位に基づいて役割が分かれています。 クマノミは生まれたときにはオス・メスの両方の性質を持っており(性的未分化)、成長とともに群れ内での順位に応じて性が分化します。 通常、群れの中で最も大きな個体が唯一のメスとなり、次に大きな個体が繁殖オスとしてペアを形成します。それ以外の小さな個体は非繁殖のオスとして待機しています。 もしメスが死亡したり群れを離れたりすると、ペアのオスが性転換してメスとなり、非繁殖オスの中で最大の個体が新たな繁殖オスとなります。このような性転換のパターンは「雌性先熟」と呼ばれており、限られた個体数で効率的に繁殖を維持するための進化的戦略と考えられています。 4. おわりに クマノミは、イソ

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春とともに始めるアロマの旅

はじめに 神田隼大研究機構 宣傳學部藤田研究室の藤田でございます。 このブログでは、アロマと化学をテーマに、香りの魅力やその成分について掘り下げていきます。春は新しい始まりの季節。そんな門出の時期にぴったりなテーマとして、今回は「桜の香り」についてご紹介します。 引用元photoAC様:https://www.photo-ac.com/main/detail/31568918&title=%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AF%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A9 桜の香りとは? 春といえば桜。その優雅なピンクの花を思い浮かべるだけで、心が華やぎますよね。しかし、「桜の香り」と聞いて、すぐに思い浮かぶ香りはありますか?実は、多くの桜の花はほとんど香りを持たず、私たちが「桜の香り」と認識しているものの正体は別のところにあります。 引用元photoAC様:https://www.photo-ac.com/main/detail/31967907/?downloader_register=success たとえば、「桜もち」の香りを思い浮かべてみてください。あの甘くてほのかにスパイシーな香りは、実は桜の葉に含まれる成分によるものです。この香りは、桜の木の葉や樹皮にも含まれ、ほんのりとした甘さと上品な深みがあり、どこか懐かしい印象を与えます。 桜の雑学:日本の桜には「種がない」? 桜といえば「ソメイヨシノ」が有名ですが、実はこの品種には種がほとんど存在しません。ソメイヨシノは、江戸時代に人工的に交配されて生まれた品種で、種では増えず、すべて接ぎ木や挿し木によって増やされています。 つまり、日本各地のソメイヨシノは遺伝的にほぼ同一のクローン。だからこそ、全国で一斉に桜が開花し、美しい春の景色を作り出しているのです。この特徴が、日本の「お花見文化」にも大きく影響を与えています。 桜の香りの効果 桜の香りには、リラックス効果があると言われています。その甘くほのかにスパイシーな香りは、心を落ち着かせ、ストレスを和らげる効果が期待できます。 引用元PAKUTASO様https://www.pakutaso.com/20230858240post-48283.html さらに、この香りには血流を促進する作用も

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